Sep 30, 2015

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S u m m e r
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時間と夏


夏は何度も時間が止まった。
時間が止まったというより、一日という枠組みから外れた時間が不意にあったような。
それはとても優しくて、薄明るくて生温くて。
時間の上を歩く代わりに時間が身体に染み込んでくるような重さがあったけれど、
重たく感じるものではありませんでした。

この建物は映画館だったそうで、そのせいか外の音があまり聞こえず、
より包み込まれる感覚が大きいように思う。
夏は見えるのに夏の音は聞こえない。
この中に置いたものにもそう、季節はないかもしれない。
だからものが季節の音を発する事もなく、音を必要とすることもなく。
夏は、扇風機くらいかな...。
あと花を飾った時。
これからのその季節になったら置きたいものもあるのだけど。

時計の時間と違う時間。
刻むようではなくて満ちるとか欠けるとか、時計より大らかな時間に外れた時間は似ていました。
同じような時間がいくつかあっても、あの時間はこの夏だけみたい。

子どもの成長が早いと感じるのはその存在が愛であるからではないかといつか思った。
それと同じように大切な時間程過ぎるのは早くて、
外れた時間も早くて、
大好きな夏は早くて。
もうすっかり秋です。