Sep 29, 2015

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S p r i n g
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宵の実の季節の記録です。
三月の中旬からオープンまで、ほぼ毎日をこの部屋で過ごしていたので、
私はこの部屋の春を知っているはずなのだけど、今殆ど思い出せずにいて、
だから春は来年に書きとめようと思います。

今少し思い出せるのは、
しばらくの間積み重ねたままだった入口の床に敷いた石の上に座って
昼の時間を過ごしていた事。
作業の為に硝子には養生をしていたから擦り硝子を透して入ってくるような不透明な明るさに、
部屋の中はしんとしていて、白い石の粉っぽくて、壁紙を剥がしたままの壁と石が冷たかった。

あの人にはこんな席が似合うかな...色々な人の顔とか、
ここにはどんな景色がみえるのかな、と考えていた事。
このまま大工さんもいいなと思っていた事。
夢中になりすぎて空間が出来上がってきた頃にはもう達成感でほぼ燃え尽きていた事。

来年の春を、楽しみにしています。