Feb 15, 2016

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W i n t e r
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この場所でようやく冬まで辿り着けました。
冬は温室の中にいるみたい。
窓が曇ったり晴れたり。結露の向こうの世界。
植物になってしまいそう。
ある日デルフィニウムを渡しそびれた。この花の青は凄い。あの絵の、ラピスラズリを青に使ったようなそれを思い出します。

今日、また雪が降りました。
木蓮の後に活けた雪柳の花弁も床に散っていました。
雪が降った日は、雪があまりに真っ白だから本当の部屋の色がみえました。
最初に想像した色です。冬のこの色が好きでした。
今度はもっとたくさん降って、窓にも積もるといい。
昼間は日差しが白い石に反射して眩しかった。
その日差しはたくさんの思いもよらない景色を見せてくれました。
冬の石のベンチは座布団からはみ出してはいけない事。
この部屋の中では早い春。小鴨が次々と生まれた事。
この部屋の、この巣の鳥は水鳥だった事。
ピロスマニは素晴らしい曲になって戻ってきた事。時には昔の話をの昔が今なのかもしれないと気づいてしまった事。
そうならないようにいたいと思っている事。


もうこの部屋の全部が、春を待ち遠しく想っている事。